「英語が話せる」の基準とは?

英語学習の考え方
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はじめに

「英語を話せるようになりたい」とはよく聞くフレーズですが、
この「英語が話せる」というのはいったいどのようなレベルなのでしょうか。
今回はこの抽象的な表現を深堀し、自分がどのレベルにいきたいのか、
考えて頂けたらと思います。
目標地点を明確にせず、現状の自分の実力を明確にしないことは、
何となくの結果を生み、英語力が上がっても自分を認められなくなる原因となります。

0か100ではなく、日本人はまず50を目指す

どれくらい英語を話せるようになりたいですか、と聞くと、
「ネイティブのように話せるようになりたい」と、いうフレーズを良く聞きます。
 ※以下、この記事ではネイティブ=英語ネイティブとして記載
ネイティブレベルになることを否定する訳ではなく、
(私自身も目指している高みではありますが)、
日本には下記のような風潮があるような気がします。
 英語が話せる人:ネイティブレベル、英語ペラペラ
 英語が話せない人:それ以外

私はこれがあまりにもナンセンスだと思います。
外国語である言語をネイティブレベルに使えることはとんでもなく凄い事で、
外国語学習者の日本人がネイティブレベルでないと英語が出来ないと思うのは、
まったくもって筋違いです。
日本人がまず目指すことは、
0か100(英語が話せない or 英語ペラペラ)ではなく、
50(英語で意思疎通を図れること)ではないでしょうか。

1つの基準CEFR

英語の能力を評価する国際的な指標の1つとして、CEFRがあります。
CEFRは欧州評議会より公開された考え方で、下表のように、
英語学習者のレベルを6段階に分けています。(上側C2が上級、下側A1が初級)
※クリックして拡大できます。

引用:ブリティッシュ・カウンシル

自分が今どの位置にいるのか把握し、そこを基準に英語学習をスタートすると、
自分の成長をモニタリングできるので、
最初にCEFRのレベルをチェックするのはおすすめです。
試験するとお金がかかるので、チェックだけならCASECがおすすめです。
こちらの記事(手軽に英語力を測定できるCASEC)も参照ください。

英語ネイティブレベルとは

ネイティブレベルとはいったいどれくらいのレベルなのでしょうか?
上記のCEFRを見るとC2かと思いがちですが、
CEFRは外国人話者を評価するためのものですので、
ネイティブレベルは、この尺度で測れるより上にいると考えられます。
あえて表すなら、C2の上にN1、N2(ネイティブレベル1、2)があるようなイメージですね。
当然のことながら、ネイティブの中でも母国語力が高い人と低い人がいます。
日本人でもそうですよね。
ネイティブレベルを目指すにしても、どれくらいのレベルになりたいのか、
自分の中で少しでも明確にしていくと目指しやすくなります。
具体的な人物を目標設定とするのも良い方法です。

英語ペラペラレベルとは

次は英語ペラペラについて考えてみましょう。
何ができたら英語がペラペラなんでしょうか?
これはそもそも抽象的で主観的な表現で、人によって異なると思いますが、
まず一般的にどう思われそうか、ということを考えてみたいと思います。

CEFRからの考察

熟達した言語使用者 C2、C1

高度で長い文章が理解でき、言葉を探している感を与えず、
複雑な話題で詳細に文章を作れるというレベル(上級者)であり、
このレベルであれば、英語ペラペラであると思われる可能性は非常に高いでしょう。
とはいえ、必ずしも英語ペラペラと思われる訳でもないと思います。

基礎段階の言語使用者 A2、A1

順番は前後しますが、基礎段階の言語使用者であるA2、A1は、
自分に直接関係する話題について、簡単な表現で会話できるというレベル(初級者)になります。
しかし、このレベルの英語でも流暢に話し、相手の言う事を聞く力があれば、
人によっては英語がペラペラと言われる可能性は十分にあると思います。

自立した言語使用者 B2、B1

そして、1つの分岐点になりそうなのが、
自立した言語使用者であるB2、B1レベル(中級者)です。
B2レベルで、自分の専門分野であれば複雑な文章を理解でき、
ネイティブと自然にやり取りがでいるくらい流暢なレベルです。
B1レベルでは、日常的なことで標準的な言い方、
起こることが想像できる状況では大抵のことに対処できるレベルです。
B2、B1レベルで、話者の馴染のある分野であれば、
英語ペラペラと思われる可能性は中程度にあると思います。
一方で自分の馴染の無い分野の場合は、
コミュニケーションは取れていても、英語ペラペラとは思われないかもしれません。

漠然としたイメージの言語化

CEFRとは関係なく、英語ペラペラと思われるレベルがどれくらいなのか、
私なりに考えてみた条件は下記の通りです。

・自分から英語で話しかけられる
・How are you? などから始まる挨拶、アイスブレイクが自然とできる
・自信があるように見える(オドオドしていない)
・日常会話で受け答えができる(発音は必ずしも正確である必要はない)
・単語や文の意味が分からなかったときに英語で、それってどういう意味と英語で聞き返せる。
 分からないときに黙らない、変な間が無い。
・もう1回言ってなど、聞き返すことがあまりない。
・自分の思ったことや自分に関連した話題について会話することが出来る
・楽しそうに話している

いかがでしょうか? 
直接英語と関係ない要素もありますが、ペラペラの要素にある気がしたので書きました。
これができたら英語ペラペラだと思いますか?
これで充分という人もいれば、まだまだ全然という人もいると思います。
大事なことは英語ペラペラという曖昧な基準ではなく、
自分のゴールをしっかりとイメージして言語化しておくことです。

他人目線か自分目線か

上記では、ペラペラと思われるかどうか、という他人目線で考えてきましたが、
自分が思う英語ペラペラと、周りが思う英語ペラペラにはズレがある
ということも理解しておくと良いです。
通常、自分が思う英語ペラペラの基準の方が、
周りから思う英語ペラペラよりレベルが高いと思います。
もし周りから「英語ペラペラですね」とか「英語話せるんですね」と言われたら、
謙遜して自己否定せずに、素直にお礼を言って自分を認めてあげると良いです。
日本人は「いやいや、まだまだ程遠いです」といった感じで高確率で否定すると思いますが、
そんなに自分をいじめなくていいんじゃないかと思います。
むしろ自分で自分の自尊心を削って自信を無くす可能性があるのでやめた方がいいと思います。
英語ペラペラ、英語が話せる、と言われた事実を素直に喜びましょう。

CEFRと実際

CEFRはテストなどで評価されるものであり、実際に感じる印象とは異なると思います。
たとえば、C1の人でも喋りには自信がなく、英語ペラペラとは思っていない人もいるでしょう。
逆にA2の人でも自信を持って英語を喋れる人もいます。
CEFRでチェックした自分の英語力の事実を見せつけられると、
落ち込んでしまうことがありますが、それは絶対的なものではありません。
CEFRは1つのデータとして、参考にするくらいで、
気にしすぎず、英語学習に活用していきましょう。

おわりに

今回は、英語が話せるの基準について、お伝えしました。
自分のなりたい英語話者のレベルをイメージして取り組んだ方が、
ゴールに近づいている感を感じ取れます。
がむしゃらに勉強するだけでなく、自分の理想像のブラッシュアップいくと、
モチベーションアップにもなります。
ぜひご自身の目標達成にお役立てください。

コメント

  1. […] このレベルであれば、なじみのない話題にはたどたどしさが出てしまいますが、話し手と親和性のある分野であれば、英語がペラペラであると思われる可能性もあります。(参考:Akiraの英語お悩み相談室 「英語が話せる」の基準とは?) […]