英検® S-CBT 試験で失敗しないために

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英検S-CBTと従来の英検との違いは?

ここでは簡単に違いを説明します。
最新情報や正確な情報は英検ホームページにてご確認お願いします。
なお、2022年2月現在、S-CBTは英検3級~準1級が対象のため、それが前提として記載します。

英検(従来式)

  • 1次試験(リーディング、ライティング、リスニング)と2次試験(スピーキング)がある
  • 1次と2次の受験日は別の日(1次試験に合格後、2次試験に進むため)
  • 1次試験は、鉛筆やシャーペンを使用して解答用紙に記入する方式
  • 1次試験の問題の順番は、①リーディング→②ライティング→③リスニング
  • 2次試験は、面接官と1対1の空間で行う
  • 受験時期は年3回のみ

英検(S-CBT)

  • 試験は1日ですべての項目を行う
  • 試験の順番は、①スピーキング→②リスニング→③リーディング→④ライティング
  • 基本はすべてパソコン操作。ライティングのみ手書き(筆記型)を選ぶことも可能
  • スピーキングは音声を録音するため、パソコンに向かって話すスタイルとなる
  • 受験時期は毎月あり、気軽に受験できる

S-CBTを受験した経験からのアドバイス

受験場所にはいつも以上に早く行こう

私は先日、東京23区内の某所で受験しましたが、
試験会場がどこにあるか分からない事態に陥りました。

私は特に道に迷いやすいタイプでもなく、東京に5年以上住んでいるので、
土地勘が無いわけでもありません。
また試験会場を事前に確認し、Googleマップにピンを立てていましたが、
それでもなかなか分からず、同じ道を行ったり来たりしていました。

振り返ると、下記の事が原因だと考えられました。
 ・複合ビルで分かり難い入口だった
 (1階が駐車場のビルで、駐車場内のエレベーターから上がった)
 ・試験会場前の道に案内係がいなかった
 ・「英検会場はこちらです」といった看板が何もなかった
 ・人が多く、他の受験者の見分けがつかず、他の英検受験者に続くことも出来なかった

従来型の英検と違って、試験が分散され、
会場の規模が小さくなり、受験者も少なくなっているからだと思います。
迷っていると、試験時間に遅れてしまう!という気持ちに駆り立てられ、
集中力が削がれてしまいます。
東京という土地柄や私の1会場での経験になりますが、充分な力を発揮できるよう、
余裕をもって会場に行くことをおすすめします。

S-CBTは時間管理がルーズかもしれない

まず、受付時間設定が非常に短いです。
私は午前の部を受験しましたが、受験表に記載の時間割は以下の通りでした。
 受付開始 9:00
 受付終了 9:15
 試験開始 9:15
受付は一人ずつ行うので、9:00に並んでも受付が終わるころには受付時間が終了していました。
なお、受験票の試験開始時間は9:15でしたが、会場には試験開始9:20と看板が出ていました。
最初からそうしてよと思わなくもありません。
ちなみに9:20になっても試験は始まりませんでした。
時間に厳しい人はイライラしてしまうかもしれません。
イライラしてもテストの結果は良くなりませんので、仏の気持ちで開始の合図を待ちましょう。

試験会場では予習はできないと思っておこう

受付後、ロッカーに自分の荷物を、必要なもの以外すべて入れて、試験室に入る必要があります。
そのため、ぎりぎりまでテキストを見たり、自分の椅子の下にカバンを置いたりはできません。
あと持ち込める物もかなり厳しいです。消しゴムのカバーも外してくださいなど書いてあります。
また、受付前にトイレを済ませてください、というアナウンスもありました。
ですから、試験室に入ったあとは、ただ待つしかありません。

他の受験者のことは見ないようにしよう

これは従来式の英検にも言えることですが、英検は学生が受験するケースが多いので、
大人が受けると、若い子たちに囲まれ、劣等感のようなものを感じてしまうことがあります。
このようなことを感じやすい方は、目をつぶったり、ピンとをずらして、
精神統一するくらいの気持ちでいた方が良いと思います。
つい気になって周りを見ても良いことはあまりないと思います。
実際私は、自分の前にいた小学1年生くらいの子が大人の自分と同じ級だったのが分かってしまい、なんとも言えない気持ちになりました。
特にS-CBTの場合、各級の受験者が一同に試験をするので、誰が何の級をやっているかは、
基本的には分かりません。他人の受験票は見るべからずです。

スピーキング試験中は隣の人の声が聞こえることを知っておこう

私はこれがS-CBTの最大の難関と捉えています。
気にならない人は良いのですが、気になる人にとっては気になって仕方がない、
という状態になります。
周りの人の発言や音が気になる方は、S-CBTは避けた方が良いかもしれません。

スピーキングは一番乗りで進めよう

スピーキング試験の開始の合図が出た後は、いきなり始める感がありますが、
各自のタイミングで試験をスタートできるため、多少は自分に選択権があります。

早く進めた方が良い理由は2つあります。
1つ目の理由は前述したように周りの声が聞こえてきますので、
先に始めて周りの声が聞こえない内に試験を進めてしまおうという作戦です。

2つ目の理由は、自分が周りの人にスピーチしているような状態になるのを避けるためです。
スピーキング試験は全員が終わるまで待つ必要があります。
そのため、先にスピーキングを終えた人は、
まだ終わっていない人のスピーキングの回答が聞こえてきます。
スピーキングの進行が遅れると、周りの人に聞かれている状態で
設問に答えなければなりませんので、余計にプレッシャーがかかります。
また時間が経てば経つほど周りが静かになってきて、ますます緊張します。
スピーキング試験が始まったら、マイクの設定などは素早く済ませ、
早々に始めることをお勧めします。
また回答の持ち時間も全部使わず、どんどん先に進めるのがコツです。

スピーキングを制する者がS-CBTを制する

スピーキングが終われば、後はリスニング、リーディング、ライティングと、流れに沿って進めていく形となりますが、スピーキングで失敗すると、後ろのセッションに影響してきます。
私は少し動揺し、リスニングの最初の3問くらいは集中できず、まともに理解できませんでした。
出鼻を挫かれないように、スピーキングはしっかり対策して臨みましょう!

リスニングの進み方に注意せよ

英検ホームページにて体験版等があり、どんな形で進むか確認することができますが、
実際に受けてみないと気づかないことがあります。
本番中に気づいたのは、選択肢の回答文の先読みがやり難いことです。
再生中の問題の選択肢しか表示されませんので、その問題の答えを選択しても、
10秒の回答時間が0秒にならない限り、自動的には次の選択肢は現れません。
また、先まわりして次の回答を表示していても、回答時間の10秒のカウントが0秒になる度に、
その都度画面が更新され、1秒の空白画面が現れるのが、とても苦痛でした。

また答えが分からないときは、10秒以内に必ずどれかの答えにマークするようにしましょう。
0秒になると画面が次の問題に切り替わりため、選択するのが間に合わないと、
前の問題に戻って答えを選択して、また今の問題に戻る、
という操作を自分でしなければならなくなります。

S-CBTのメリットとデメリットまとめ

実際に受験した経験から感じた点も含めて、まとめます。

メリット

  • 開催される試験回数が多く、受験しやすい
  • 1日で試験を完結できる
  • スマフォのカメラの撮影でOKなので、証明写真を撮る必要が無く、写真の費用がかからない
  • スピーキングでは、面接官に直接話すのが苦手な人に向いている
  • リーディングの長文問題では、自分の気になる文章に黄色マーカーや
    赤のアンダーラインを使える
  • ライティングのタイピング型では、コピー&ペーストができ、後から文を修正できる上、
    文字数もカウントされるので、筆記型より有利であると感じた。

デメリット

  • 受験者が少なく、試験会場が小規模となり、会場を見つけ難い可能性がある
  • 受験票を印刷する必要がある。申し込みはデジタル、照明写真もデジタル、なのに最後は紙を印刷しなければらない。ペーパーレスのトピックを問題に出したりするので、是非ともデジタルで完結してもらいたいものである。
  • 1日で全ての項目を受験するので、従来型の試験より集中的な準備がしにくくなる
    (従来型の1次試験ではスピーキングがないので、リーディングなどに集中できる)
  • スピーキングでは、周りの受験者の声が気になる方や自分の発言を聞かれるのが嫌な方には向かない。
  • パソコン操作のスキルで、若干の有利不利が出る。例えば、ライティングのタイピング型では、コピー&ペーストにキーボードのショートカットキーが使用できた。マウスの右クリックは出ず、画面上のボタンで操作する必要があり、その場合は微妙なやり難さがある。

おわりに

従来型の英検でも、他の受験者からのプレッシャーはあると思いますが、
個人的にはS-CBTの方が、より個人の集中力が試されると感じました。
S-CBTの方が受験回数が多く受験しやすいので、早く資格を取得したい人はS-CBTがおすすめ。
自分に合ったスタイルで受験し、合格を目指しましょう!

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