カランメソッド 英語脳作りにおすすめ

学習方法・勉強ツール
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カランメソッドとは?

英語で英語を学習する方法で、イギリスのカランが開発したメソッドです。
通常の学習の4倍のスピードで習得できると言われており、少し疑ってしまいますね。
そこで今回、カランメソッド認定校のネイティブキャンプで受けてみました。
テキストのレベルは、ステージ1~12があり、
今回ステージ1~3を体験した結果となります。

カランメソッドの内容

レッスン中、講師が高速で英語の質問し、即座に答えるという練習をひたすらに繰り返します
講師は質問を2回繰り返し、その後、生徒はすぐに答えなければいけません
すぐに答えられないと、講師が模範解答を言うので、回答を促されたら、
それを追随して休みなくついていく必要があります
例えば、このような形です。
講師:Is this a pen? Is this a pen?
生徒:Yes, it’s a pen.
講師:What’s this? What’s this?
生徒:…. (すぐ答えられない)
講師:It’s a …?
生徒:It’s a dog.
なお、レッスン中は基本的にテキストの文字情報を見ることはできませんので、
講師の発話内容を集中して聞く必要があります。

フルセンテンスで答える

回答はフルセンテンスで答えなければなりません。
通常の会話では不自然ですが、文法的理解を深めることに重きを置かれています
(例)
講師:Is Russia the largest country in the world?
生徒:Yes, Russia is the largest counrty in the world.

講師:Is this a pen?
生徒:No, it isn’t a pen. It’s a book.

文法的間違いは細かく直される

the, a, anや時制の間違いなどは正しく言う必要があります
通常の英会話ではスルーされることが多いですが、カランでは徹底的に直されます
(例)
講師:Is this apple?
生徒:Yes, it’s a apple.
講師:It’s an apple.
生徒:It’s an apple.

講師:What are these?
生徒:It’s a glasses.
講師:They’re glasses.
生徒:They’re glasses

基本は短縮形を使う

基本的に次のように短縮形を使います
I am -> I’m,  he is ->  he’s,  she is -> she’s,
it is -> it ‘s,  they are -> they’re
he is not -> he isn’t,  she is not -> she isn’t
it is not -> it isn’t,  they are not -> they aren’t

なお、否定形の場合、he’s not, she’s not, it’s not, they’re notも正しい表現ですが、
カランでは標準的に使われていません。

また、時たま短縮されていないときがあります。
ネイティブキャンプ経由でカラン本社に確認したところ、
短縮形以外も理解できるようにするため、ために織り交ぜてある、とのことでした。
(ネイティブキャンプの事務局の方がご丁寧に回答して頂けました^^)

回答文のパターン

回答文は主に3パターンあります。
[1] センテンスをそのまま返答するパターン(Yes/Noが確定的な問いに対する返答)
[2] Yes/Noを選んで返答するパターン(Yes/Noどちらもあり得る問いに対する返答)
[3] 穴埋めして返答するパターン(主に特定の名詞を入れて返答)

[1] センテンスをそのまま返答するパターンでは、
次のように、少し機械的な回答になります。
講師:Do Japanese people generally speak Japanese more fluently than English?
生徒:Yes, Japanese people generally speak Japanese more fluently than English.

[2] Yes/Noを選んで返答するパターン
講師:Do you prefer coffee or tea?
生徒:I prefer coffee to coffee. または I prefer coffee to tea.

[3] 穴埋めして返答するパターンでは、多少アイディアをひねり出す必要があります。
講師:What is the biggest shop in your neighborhood?
生徒:Yunikuro is the biggest shop in my neighborhood.
穴埋めパターンでは何を言うか悩むときがありますが、
文章に意味を求めていないので、悩んだらABCといっておけばOKです。

レッスン中に復習を行う

上記のような形でレッスンは進みますが、使用される英文は、次のレッスンでも質問されます。
これによって、レッスン中に復習できるので、レッスン後に復習しなくても良い、
というのがカランメソッドの考え方です。
ただし、後述しますが、私はテキストを買って、簡単に復習することをおすすめします。

リーディングセクション

カランメソッドのレッスンは、上述のように基本的にテキスト無しで進みます。
ただし、レッスンが進んでくると復習のリーディングセクション(数分)があり、
このリーディングセクションに限って、テキストを読み上げて、内容を確認します。
このとき講師は生徒の発音チェックを行います。

レッスン中は質問できない

カランメソッドでは、発話することに重点をおいているため、
レッスン中に質問することができません。
質問したいときは、カランメソッド以外のレッスンを受けて、
講師に質問するということが必要になります。

カランメソッドのレベルとテキスト

カラン未経験者はステージ1からのスタートを推奨

テキストレベルはステージ1~12があり、自分のレベルに応じたところからスタートできます。
ネイティブキャンプでは、最初にレベルチェックを行い、
その結果に基づいて、講師が推奨するレベルからスタートします。
ただ、カランメソッドは特殊な学習方法で、今までに経験がないと、
英語力とは関係なく、慣れが必要な面があります。
仮に中級以上の方でもカランメソッドをやったことがないのであれば、
ステージ1からスタートすることをおすすめします。
最初はThis is a pen の延長線上のような練習になりますが、
高速で答えなければならないという条件では、
意外と時制のミスやthis, that, these, thoseなどを間違えたりします。
新しい英語表現を学ぶというより、カランに慣れることと、
今までの復習をするというスタンスで臨むと、得るものがあると思います。

カランメソッドは初中級者以上の方向け

カランメソッドのステージ1は初心者レベルの教材ですが、
だからといって初心者におすすめできるものではないと私は思います。
初心者レベルの英語を説明するのに、中級者レベルの英語が使われるからです。
例えば、講師はこういう説明をします。
講師:The defference between some and any is that we use some in positive sentences whereas we use any in questions and negative sentences.
おそらく、some と any をうまく使えないレベルの人がこれを聞いても分からないでしょう。
私は、カランメソッドは、早くても初中級レベルくらいから始めるのが良いと思います。

テキストはあった方がいい

ネイティブキャンプでは、スマートフォンのアプリを使えば、
レッスン中にテキストを見れるので、テキストを買わなくても受講できます。
ネイティブキャンプの無料カウンセラーの一人は、
アプリで見れるのであれば、テキストは買わなくても大丈夫と言っていましたが、
私はあった方がいいと思いました。
その理由は、知らない単語が出てきたときに、手掛かりは講師の発音のみになるからです。
例えば、講師が次のように言ったとしましょう。
講師:Is スカンディネイビアン short?
このように文字で書いてしまうと調べられてしまいますが、
スカンディネイビアンを知らない場合、音声情報だけ聞いて、レッスン後まで保持できるか?
というと結構難しいのではないでしょうか?
記憶が保持できる人はテキストを買わなくて良いと思いますが、
分からないままにしてしまいそうな場合は、テキストを買いましょう。
(ちなみにスカンデネイビアン Scandinavian は北欧人という意味です)

使われる英語はイギリス英語

開発者のカランはイギリス人であり、テキストも基本的にイギリス英語になります。
ただカランメソッドを提供する会社の講師の多くは、フィリピン人の先生が多いので、
発音的にイギリス英語になるかというとそうでもありません。
出てくるワードチョイスがイギリス英語と捉えるといいと思います。
特に地理的な名詞や固有名詞、通貨などはヨーロッパ基準になっているので、
知識がないと分かり難いことがあります。
例えば、How many euros make a pound?
(1ポンドは何ユーロですか?)など返答に悩みます。

実用的なフレーズは少ないが文法の型は身に付く

カランでは文法を重視しているので、カランのテキストに出てくるフレーズを
そのまま使えるものはあまり多くはありません。
例えば、下記のような奇妙な文がちらほらあります。
講師:Do you think you can carry this table on your back?
生徒:No, I don’t think I can carry this table on my back.
ただ無意味というわけではなく、文法の型と文章の理解力は身につけられます。
とはいえ実践へは、文章を再構築する応用力が求められます。

カランメソッドのメリット・デメリットまとめ

メリット

・文法の型が身に付き、文章を理解する能力が上がる
・高速の英語を聞くため、リスニング力、理解スピードを強化するのに良い
・日本語を介さず、英語で英語を理解しようとする力を鍛えられる

デメリット

・英語の説明を理解できない初心者には不向き
・不自然な文があり、実用的なフレーズを学べるわけではない
・会話形式のレッスンではないので、飽きやすい
・自分がうまく言えなくても、答えを促されるので、
 英作文能力は必ずしも上がる訳ではない(受講生の受け方次第)

おわりに

今回カランメソッドについて紹介しました。
カランメソッドは他の学習法にはない、独特の学習効果は確かにあると思います。
カランメソッドが気になった方はぜひ試してみてください。
なお、カランメソッド提供会社には、認定校と非認定校があります。
せっかくやるのであれば、認定校でしっかりしたトレーニングを受けた先生に
教えてもらう方が良いですね。
認定校としては、ネイティブキャンプのほかにQQEnglishなどもありますので、
認定校かどうかに加え、価格やその他のプランを考慮して決めて頂ければと思います。
ネイティブキャンプでは、ステージごとに認定証がもらえるので、
達成した感を得るにもおすすめです。

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